いつだって専門外でもマジ!タップ編&リメイクベルトセット(第2986回)
成功率は低かったのは承知していたが敢行するチャレンジ精神
先週は摩訶不思議な時間を過ごすことが多かった私。
色んなお客様との会話がほんと鳥肌経つような事もww
久しぶりに来たお客様と近況報告し合って大変だった話を伺った後に最近自分にあった出来事等を話していたんですよ。
例えば群馬遠征してきましたよ~、お客様と山名八幡宮行って来たんですよ~と伝えると既にその方は足を運んだことがある人で話が弾み、そして進雄神社の話をしたんですよ。孔雀のいる凄い神社だったと。
するとお客様が口を開きます。
お客様「明日・・・その進雄神社、春日部(確かw)の参拝仲間に誘われて行くんですよ・・」って。
待て待て待て待てwwピンポイント過ぎでしょwww怖いんですけど笑
ほんと群馬県高崎の周りが田んぼだらけの田舎の神社ですよ?!日本中に多くの神社が存在しますよねw
なのになんで私の話した内容の場所に今日たまたま来て明日行く事に既になっているんですか!!笑 一瞬鳥肌たちましたよww
もうね、このお客様とは長い付き合いですがほんとここ数年は現実の世界ではない所で何かとお世話になっているんですよ笑
なんか・・このままこの件書いているとパソコン壊れるかもしれないので本題に行くとします!
今回全力を注いだのはこの帯の剣先!

はい、今日は三点美錠の剣先編を書きましょうか。
これは6月に約12年ぶり位に顔を合わせた元トレッサの方のご依頼品のベルトです。
この帯の三点美錠を外して新しく革ベルトに組み込むというオーダーを頂きまして組んでいくというもの。
三点美錠とは基本的にバックル、サルカン、剣先の三つを例えたモノです。
二点美錠となるとこの剣先がないバージョンの事を業界では指します。
基本的にはこの二点美錠に関してはベルトを破壊すれば金具を救出して加工が必要ではありますが再利用が可能なんですね。
しかしこの剣先ともなると流用の可否の確率は格段に下がるんです。
それには主に二つの理由があります。
一つは剣先をひっくり返した時にある小さい〇ポチ部分。ここがネジなのかそうではないのか。

ネジの場合はネジを外した後にこじれば抜けたりする仕様なのですが今回この剣先は再利用不可のカシメ止めみたいな感じになっていました。この場合普通に再利用は出来ないモデルなんですね。
そして二つ目はこの金具が銀でもない、真鍮でもない。合金系の金具だったという事。
過去に似た様な素材でUSバックル等に火を入れてすぐに溶ける性質で硬度も低いのは経験済みで弱い素材なのは推測出来ていたんです。
なのでこの剣先に関してはもしかしたら流用できないかもしれない旨はお客様に伝えつつ、でもチャレンジしてみる気は全然アリアリでやりました。
というのもお客様から拝聴する中で「この金具が好きなんだ」という言葉を聞いていましたので。
どっからどう考えてもこの金具の流用するには結構手を加えないといけないのですが普通どこの修理屋さんも大抵「これだけは再利用無理」っていうパーツなんですけど、Sigmaじゃないですかぁ~ww専門外作業でも可能性に賭ける時はやるんです。
慎重に慎重にドリルで再利用不可の金具部分を切削していきました。

この時点で結構馬鹿な行動を私はしていますww商売度外視ですよ。
ただただこの金具が再利用出来た時のベルトをお客様に見せる事が出来たらどんなに喜んでもらえるんだろう・・という気持ちだけで作業を進めていきました。私らしいですね。
そしてこの金具をとことん破壊して噛んでいる根元まで綺麗に切削すると・・・
抜ける・・・はずがなかなか抜けなくて工具で抑えながら引っ張りまくって救出に成功しましたww

なんだか凄い事になっていますねww
この金具もこの素材に合わせて作られたモノではなく汎用品のタイプなので厚みなどを合わせる為に素材に超強力粘着のボンドなのかテープなのかを巻き付けて金具をこじ入れて最後金具で抑えていたのでしょう。
この時点でね、危険度MAXだったんですよ。
こじって抜こうとしている最中に「カチカチンッ」みたいな小さい音がした気がしたんです。
気の所為かな?とも思いつつ色々推測もしたんです。
先に説明した通りこの金具の硬度は低いじゃないですか。なのでテンションが掛かった時に破損する恐れがあるんですね。
そんな時見るのはこの金具の各角の部分。
だいぶ擦れていますよね?そして過去にこの金具もどことなく無意識にぶつかったりするわけですよ。すなわち金属疲労ね。
誰がつかってもそうです。この使用環境や製品が作られた時の当たりハズレもあるのと、外観だけではその状態が判別できないんですね。
素材がシルバーであればなんてことなく壊れても直せる自信があるんですけど合金はさすがに一発勝負で修理は不可なので心配でした。でもオペを継続していきます。後戻りできないんでね。
次に開けた穴よりも0.1mm程大きい径のタップを入れていきます。

どうしてそんな工具を持ってるんだよ!!笑 ってなりますよねww
たまたま持っていたりするんですよね~タップ。
タップというのはネジの仕組みを作る工具の事を指します。
そう、ドリルで穴を開けた後にこの穴の径よりも0.1mm広いネジ穴を慎重に慎重に慎~重に作って行きました。
そしてここに使うイモネジというネジも持っていたのでここをクリアすれば再び日の目を浴びる事が出来るんです。
でもここでも削りつつほんのわずかに「カチパキッカチパキッ」って鳴っている気がしていました。
ゴールまであとちょっと。あとは加工した革ベルトこじ入れてイモネジをぶち込めば成功する!!(;・∀・)
そんな時でした。。
死亡・・・。( ゚Д゚)アガガガガ、、マチルダぁ~!!!!!

これはお客様に見せる画像・ブログ用で撮ってみたやつね。
もうほんと映画LEONの最後のシーンが何故か思いだされましたよ。
ジャン・レノが最後の最後に危機から脱出して平和を手にするかと思いきやラスト撃たれるシーンをね。。(´ー`)はぁ。
どんだけ脳内メルヘンなんだよと思う人もいるかもしれませんがほんとソレに匹敵しましたよ。
だってさ、私の脳内のシナリオ的にこのオペを成功させてお客様に見せた時にさ、、、
お客様「お~!!!成功したんですね!マジで有難うございます!嬉しいっ!(゚∀゚)」って展開になることを想像して施工していたんですから。その夢が一瞬にして崩れ去りました。
わかってもいましたよ?失敗率の方が高かったのもわかるしこうなる事も十分予想もできた。
でもさ、壊れるなら最初に壊れてくれよ!!最後に壊れるんじゃないわよ!!!って思いました。
後日納品時は普通に説明しましたけどこれやった瞬間は一人で黙々と作っていた状況じゃないですか。
私根暗なので「ここでLEONかよ・・やめてくれよ・・ないわぁ・・」等とブツクサブツクサ独り言を唱えていたと思います。
時間をかけて手掛けたのにも関わらず水の泡になることもあるんですよ。
部品が破損した瞬間は作業場で私一人ポツン。見せる相手も話す相手もおらずただ沈黙の時間を過ごす虚しさ。
これわかりますか?笑
けっこうきますよグサッっと。
まぁ、そんな気持ちを引っ張って仕事している日の夜には何にも知らない相原が「おっつ~」とか言ってくる訳なんですけどねw
いま一人にしてくれ~い!と思っても時間はね、止まらないので。
そんな相原に「さっきLEONだったわ。ジャン・レノの気持ち凄い分かったわ・・・」と伝えると・・
相原は適当なので「へぇ~そうなんだ。(分かろうともしていない)それはそうと今日ネットショップで犬鑑札ケース売れたから名前彫刻して。私送り状作るから」って。
私「あ、うん(´ー`)」。みたいな。
私、なんか可哀想じゃない?ww。ブログ書いてて思い出したわ。
ともあれ久々にこういう失敗談を書きました。まぁ、Sigmaのブログは綺麗ごとじゃないことも普通に私はいつも書きますからね。
なんだかんだ言いつつも結局はですね~・・・
素敵なベルトは出来て納品はしたんですよ!!笑

「全部が全部失敗しました。チャンチャンっ」ではありませんでしたよw出来上がりはしました!
なんだか突如引き締まった高級ベルトには様変わりしてくれましたしお客様も喜んでは頂けました!多分!笑
なかなかね、作っている時の心情なんてただ完成した商品を受け取る側は普通分からない部分ですので今日はそんな事を書き残してみましたっ。
今日はこの辺でっ!! 有難うございます!育てて使い込んでくださいっ


