EXPO’85つくば万博記念メダルカスタム(第2409回)
博覧会記念メダルをコンチョ化させて、思い出を身につけるカスタム。
思い出って力になる。
この仕事を続けていると、しばしば祖父母の形見とかペットの形見、もしくはおさがり等のリメイクやリペアのご依頼を頂きます。
今回もそんな一つ。おそらくお客様が幼き頃に行った思い出の物を実用化させるご依頼内容となります。
結構思い出を大切にされているお客様が多く、Sigmaも「ヒト・モノ・カネ」の中で最も「ヒト」の要素が強いお店なので相性が良いのでしょう。
そういうご来店されるときのお客様の言動や表情がとっても好きです。不安と期待が入り混じってるんですよ。
「思い出」を大切にされているんだと感じる時は、その素材が出来る可能性が少なかろうが他に頼む場所がないからSigmaに来るわけで、無保証の作業にはなりますが可能性があると判断した時は結構な確率でリスク無視で請ける傾向が私は強いです。
お医者さんのオペに似てる部分なのであろうか・・・。わからんけど笑
具現化出来た暁にはお客様の「記憶」という部分で「当時の記憶」と「Sigmaで自分は作ったんだという記憶」が刻まれるんですよ。
この人の記憶の中に自分の存在価値が残るってとても嬉しい事だと感じながら今日も何かよく分からない物を作ります。。。笑
では本題!
これ、行ったことがある方いますか?
今回は85つくば万博のメダルですねww
私が物心ついた時の博覧会の記憶って「横浜」なのですが、つくばの話をすると意外と行ったことのあるお客様がいたりします。
今回のお客様も今の今まで大事に取っておいたのでしょう。
きっと家族で行った思い出が詰まったコイン。
これを今回ドーム型にしてコンチョ化させました。
基本はシルバーしか施工はしないのですが、この得体のしれないメダルは何の素材で出来ているのかわからない。
実際に火を入れて溶けなければイケる!の判断の物になってしまうので無保証の作業として施工させて頂きました。
融点がシルバーよりも低かったものの、たまたま施工に成功しまして、このメダルコンチョを・・・
お客様のズボンのボタンに取り付ける!笑
ケツポケットに付けたいとの事で衣料を預かる。
コンチョなのでボタンホック式を組まないといけないのですが、モノがボタンフライなのでボタンをはぎ取った後にアテ革を入れてボタンが作れるように作り替えなければなりません。
・・・笑。写真じゃ説明がつかにゃい!!笑
とりあえずですね、コンチョのボタンフック化にさせるには色々な障害があったわけですよ。
まず、生地が薄すぎて7050ホック化させるには厚みも強度も足りない!
だから革でスペーサーを作ってボタン付近を強化しなければなりませんでした。
そしてボタンフライの切れ込みがボタン化を妨げるのでそこにもスペーサーを埋め込んで目に見えないところでベース強化をさせます。
地味な作業ですがこれを施すことで耐久性があがるんですよ。
見てくれだけではすぐ壊れて終わりなのでそんなのダメじゃないですか~ww
だから出来る限りやり方は決まってはいないけど壊れにくく作る訳ですよ。
その結果・・・
つくばボタンが出来上がりますwww
なんだかこの衣服に合っていますね笑
写真だとチャチャッと出来ているように見えますが、地味にこれも大変な作業だったんですよ!!
でも、ただのボタンよりも高級感も出ますし、何よりもお客様の思い出のモノが役に立つアイテムに変化しています!!
つくば万博メダルを衣服のボタンにして使うユーザーって世の中にいると思います?!
しっかりと万博メダルはお客様の衣服のボタンになりました。
きっとこのメダルをドーム型にプレスを入れて何百℃という熱を入れてコンチョ化させたのってSigmaが初めてなのではないでしょうか・・・。
画像検索しても出てこないかもしれない作業をした気がします。「気」だけね笑
まぁ、今回この作業が出来たので今後つくば万博メダルを持ってこられても「あ、できますよ。たぶん笑」と言える様になりました!
皆がやらないチャレンジをする機会をお客様に頂き、貴重な作業経験の思い出が私にも出来ました笑
今日も新しい思い出をつくりますぜ!!
ではではっ♪